プロデビューを目指す競輪学校生徒サイト

生徒インタビューレポート 宮安利紗編

2014/03/24

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「最終的な希望として、人の役に立ちたいというのがあります。」
常にその思いを胸に描いていた。前職は百貨店のアパレル店員。「服が好きだったし、服を通じて、困っている人に何かできればと思っていました」。
だが、働くにつれて理想との隔たりも感じるようになった。次はどうするかを考えていたときに「ガールズケイリン」という選択肢と出会った。
「たまたま師匠のトレーナーの方がお店に来て、話を持ってきてくれました。師匠は宇根秀俊さんです。明るくてマイナスのことは考えず、いつも前向きな方向に導いてくれるので、ついていこうと決めました。そこから自転車に乗り始めて、というのがきっかけですね」

中学、高校と陸上部に所属していた。自転車競技は初めての挑戦だった。
「小学校のときに市の記録会があって、高跳びをやらない?と言われて、そこから陸上は始めた感じです。中学、高校の6年間は陸上をして、フィールドを主にして、高跳びに、1600mリレーで走ってバトンを繋げたり、7種競技をしたり。でも肌も黒くなって、髪も短くて、成績も伸びなくて(苦笑)……それで辞めて、アパレルで販売をしていました。就職してからは運動も2年間くらいやっていなくて、8分くらいの行き帰りを自転車で通勤していただけでしたね(笑)。」

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自転車だけに賭けました
ガールズケイリンの試験を受けるにあたり、1つの決め事があったという。
「トレーナーが愛媛の競輪選手を見ている方だったので、実家は岡山でしたが、競輪するために、紹介された翌年に愛媛にいきました。収入もないので、ずっと続けるわけにはいかない。もし頑張って、半年で受からなかったら辞めようと、師匠とも家族とも決めていました。就職してから運動は何もしていなかったので、自転車に乗りながら、基礎体力を一から作っていきました。無収入ですから、自転車だけに賭けました」

この「勝負駆け」は見事に実を結び、106回生として競輪学校へ入学を果たした。そして、自転車に乗れば乗るほど、その難しさも知ることになる。
「今でちょうど(競技用自転車に)乗り始めて2年。今まで道具を使った競技をしていなかったので、道具を使うということは使い方によっては可能性が広がるし、奥が深いなと思います。成績はまだ周りのみんなに比べたら、劣っているところが多々あります。苦手なのがダッシュ系。そこが一番、劣っています。まだまだ自転車をうまく使いこなせていません。それは自分でも分かっているし、先生方にも言われています。前に言われていたことが、今頃ようやく分かってくることもあって、これは乗らないと分からない、考えながら時間をかけてやっていくしかないという感じです」

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「考えながら」。
インタビュー中に、何度も宮安はこの言葉を使っていた。自転車経験の浅さや、体力作りなど、現状をしっかりと見つめた上で、次の一手を模索し続けている。
「先行をしようとしているのにできていないので、先行できる脚はつけていきたいです。競走訓練では、後ろで追い込んでチャンスを待つこともやってみましたが、チャンスを待つよりも自分でレースを作る方が、着が良いんですよね。自分はダッシュ力がないというのもありますけど、バックで仕掛けていっても一番伸びるのが遅い、かかりが遅いんです。でもタイプ的に地脚で人よりは垂れないとは思うので、リスクは背負うけど後半は我慢するようにしていった方がチャンスは大きいと思います。最初にこういう流れだろうなと考えて、スタートして思っていた展開と違うと、以前は考えているうちに、すぐに打鐘だったんですけど、今はパパパッとすぐに考えられるようになりました。人よりも考えすぎているかもしれないです。考えすぎて動けなかったりもしているんですけどね(苦笑)。考えなくてもいいくらに脚があるのが良いですが、今は考えなければ勝てないので。これからもいろいろ考えて、自分にあう戦法を見つけていきたいと思います」

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第2回トーナメントでは、2日目に念願の初勝利を挙げた。仲間に祝福されて、嬉し涙を見せるシーンもあった。勝利の喜びを知り、ますます練習にも熱がこもっていく。デビューは、もうすぐそこだ。
「今までは何も気にしていなかったので、人の目を気にして自分を第3者の目で見て行動していこうかなと思っています。賞金を稼がないといけないというのはありますが、自分がお客側としてレースを見ていても、『やっぱりこういう感じかぁ』とお決まりの展開になると面白くないので、自分から動かせるレースをしたいですね。楽しませる、魅了できる、その方が見ている方も楽しいし、自分も楽しいと思います。そういうことをレースでは心がけて、生活も規律をもっていきたいですね。緩みすぎずに(笑)。ここで学んだことを活かしていきたいなと思います」

憧れるのは深谷(知広)さん
目標選手を聞くと、ガールズ選手ではなく、競輪界のヤングスターの名前が飛び出した。
「憧れるのは深谷(知広)さん。レースを見ていて面白いし、ああいうレースをしたいと思いました。走りに自信が溢れているし、自分のスタイルがあって、それを貫き通していて。グランプリも師匠を携えて、自分の着位がダメでも、師匠の優勝をすごく喜んでいましたし、私もそうできる器の持ち主になりたいと思います。訓練では下の着だと落ち込んでしまうし、もちろん悔しいですけど、深谷さんみたいにできるような余裕が欲しいです」

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好きなことは「オシャレ」
学校内ではなかなか難しいことなので、ファッション誌を何冊も眺めることが「一番の解消法」だと笑う。ファッション通の目線から、ガールズケイリンの魅力とは?
「買いに行くよりも人が着るのを選んだり、着せてあげたり、それが趣味ですね。前は仕事をする女性向けだったり、今は若者向けだったり、けっこう雑誌はいっぱい見ています(笑)。ガールズケイリンは他のスポーツよりも華やかさがあると思います。自転車自体にカラーがあるのもありますし、見ていて走りも格好良いですね。ファッション的なところで女性らしさもありつつ、走るとすごく格好良い。それに走る前と走っているときは真剣ですけど、終わったらインタビューでもにこやかな顔をしていて、自分もああいう風に立ちたいなと思っています」

目標は「地元で優勝して恩返しすること」。応援してくれるファン、家族、そしてもちろん自分のために走り続ける。松山バンクから、また新しい風が吹き込んでいく。
「ガールズケイリンを見ていても、自分があの舞台に立つと思うと、もっと練習しないといけないと思います。まだまだ力不足な点はあると思いますが、期待に応えられるように、今から練習してもっと光れる選手になれるように頑張るので、見ていてほしいですね!」