プロデビューを目指す競輪学校生徒サイト

生徒インタビューレポート 上原七衣編

2014/03/10

初めて競技用自転車に跨ったとき、無限の可能性を感じた。どこまでも奥深く、どこまでも広い。人生を賭けて打ち込めるものに、「やっと巡り合えたと思いました」

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自分探しというと軽く聞こえてしますかもしれない

上原は実にさまざまな経験を積んできた。好奇心も旺盛だったのだろう。スポーツ歴は小学校3年生のときから高校2年生まで続けたというシンクロナイズドスイミング。

「幼稚園の頃は、遊びと言えば外で遊ぶことだとずっと思っていました。新しい遊具ができたら一番に行ったり、登り棒の一番上にずっといたりとかしていましたね(笑)。小学校低学年のときに水泳をやらせてもらって、母親が言うには、踊ることが好きだった、踊りをやりたいと言っていたらしく水泳とダンスをくっつけちゃえばいいという感じで、シンクロはどうかなと(笑)。それから受験で3~4年やらなかった時期もありましたけど、高校2年くらいまで7年間やっていました。でも、オリンピックを目指すクラブには所属していなかったので、自分の中ではしっかりやりたいというのはありました。趣味というか、習い事という感じでしたね。いつか自分で見つけて、しっかりとスポーツをやりたいというのはそのときからありましたね」

もちろん、そのときはまだガールズケイリンは産声を上げていない。やりたいことを見つけては、トライする日々が続いていた。

「浪人や学生時代から、バイトをしていて、フリーターになったこともありました。パン屋さんとか、ファミレスでの清掃や、工場で玉ねぎの洗浄もしましたね。自分が本当にやっていきたい仕事を見つけたいと思っていましたから。デザインの関係の仕事や、理学療法士に、洋服関係の専門学校に通ったりして、いろいろ目指していました」

 

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山梨から新潟に

ガールズの存在を知ったのは、兄との会話からだった。遡ること2年前のことだ。

「会計士を目指している兄が、新聞やニュースをまとめる仕事もしていて、そこで記事を見つけて。スポーツ好きの兄なんですけど(笑)、話の中で、『ガールズが始まったみたいだよ』と情報を与えてくれました。それまでは、自転車もママチャリくらいしか乗ったことがなく、自分のロードバイクを持っているわけでもなかったのに、何か合うんじゃないかなと思ったらしいです(笑)。それから興味を持ちました」

さすがに未知の世界。いきなりの挑戦とはならなかったが、ずっとガールズケイリンは頭の片隅にはあった。そして、運命に導かれるように決意のときがやっていく。

「私は東京出身ですが、長野に祖母の家があって、そこに居ながら一年間農業を教えてもらっていたんです。何の仕事に就こうかと思いながら、畑仕事をして、ボランティアでクッキーなどを作っていましたね。そんな生活をしていたとき、テレビで加瀬(加奈子)さんたち、ガールズ一期生のドキュメントを見たんです。そこで、『やっぱりこれからな』と思い、あとは『いつからやろう』という感じでした。それで、関東の選手会に直接連絡して、祖母の家に近い山梨の境川競技場を紹介してもらいました。そこで2~3カ月、選手の皆さんと週2くらいで練習させてもらってお世話になりました。そのうち、山梨の選手の方にクラブスピリッツを紹介してもらって、山梨から新潟にいくことを決心しました」

 

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クラブスピリッツといえば、新潟県弥彦村が立ち上げた自転車競技のクラブチーム。加瀬加奈子や中川諒子、藤原亜衣里や田中麻衣美も出身者として名を連ねている。

「昨年の3月に卒業しましたが、環境は恵まれていましたね。個性あふれる先輩たちと一緒に練習させていただいて、こんなことがあっていいのかなと思うほど。一緒にやらせてもらうからには一生懸命に練習して、強くなって、この経験を無駄にしたくないという気持ちが強かったです。感謝の気持ちでいっぱいですね」

 

見事に106回生(ガールズ3期生)として競輪学校に入学。ここまでの記録会や競走訓練の成績では、まだまだ振っていないが、初めて乗ったときから感じている「自転車のもつ無限の可能性」を自身にも重ねて、勉強する毎日だ。

「まったく納得はしていないですね、全然です。自転車は難しい…というか奥が深いです。今でもずっと、自分にとって無限です。その限界がない楽しさ、それが自分にとって大切なんです。経験の差を引け目に感じることは自分の中でまったくないですし、そこは仕方がないところ。これからはプロで稼いでいかないといけないので、力の差を縮めていくというか、今の実力を結果に結び付けていくことが大事だと思います」

 

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今の課題は、ずばり「体力づくり」

デビューに向かって、土台をしっかりと築いていく。

「体力の差があって、体がまだできていません。測定で目に見えている部分も足りないし、感覚的なものも足りていないです。そのためには、パワートレーニングですね。ウエイトトレーニングだったり、乗り込みだったり、あとはしっかり食べること。食べていないわけではないんですけど増えないんですよ、体重が。筋肉をしっかりと作って体を大きくしていけるように、話も聞きながらやっていきたいなと思います」

 

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趣味はロックミュージック。

これに関しては、「みんなにも意外と言われます」と笑う。おっとりとしているが、ポジティブで、何よりも意志の強さは人一倍だ。

「最後まで諦めない、諦められないんです。今もデビューまでにやれることをしっかりやって、レースに結び付けて自分の競走をレベルアップさせたいです。朝起きてから、寝るまでを無駄にしたくないですね。1日1日を大切にして、充実した日々を送りながら、感謝しながら成長していきます」

最後に目標を聞くと、「今は夢ですが……」と前置きしたうえで、「どこからでも攻めて着に絡める自在選手になりたいです」。やっと巡り合うことができたガールズケイリン。その両輪で、無限大の可能性を描いていく。