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生徒インタビューレポート 山本レナ編

2014/03/06

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今は、打鐘から飛び出すことしか考えがないです

 

ただ自分の力だけを信じて、誰にも抜かれることなく、ゴールに向かって風を切っていく。圧倒的な強さを印象付ける反面、レースで主導権を握れるのは常に1人だけという、時として刹那的でもある「先行」。そんな戦法に、魅せられている。「今は、打鐘から飛び出すことしか考えがないです」。目の輝きが増した。

 

 父は、山本真矢。競輪界で一世を風靡したレジェンド級の先行選手だ。現役時代から父の背中を見続けてきたことが今に繋がったのかと思われるが、「実は……」と続ける。

「あまり競輪を分かっていなかったんですよね。自分も自転車を始めてから、すごい選手だったんだなと知りました(笑)」。

 

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 自転車競技を始めたのは、父だけではなく姉の影響も大きかった。性格の短所にも挙げているが、小さいころから「慣れていないと表に出ていけない」くらいの人見知りだった。

「小学校のときは、自分でははっちゃけていたと思っていたんですけど、親に『今日は何をしていたの?』と聞かれると『金魚を見ていた』とか言っていたみたいです(笑)。スポーツは中学でバスケットボールを3年間、高校から自転車競技を始めました。バスケ部に入ったのは、姉が2人いて、姉がいたクラブに流れで入ったから。たぶん1人では他のクラブに入っていけないと思ったし、安心感がありました。高校は地元から離れて寮生活をしていましたが、1つ上の姉が地元で自転車競技をやっていて、もちろん父も自転車をやっていましたし、同じところにいってやればと。やるなら強いところ(京都府立北桑田高校)にいこうと思って始めました」

 

 自転車の楽しさを知るとともに、ガールズケイリンへの意識への意識も強まっていった。。そして、決定的だったのが父の引退レースを見に行ったことだった。

「ロードばっかり乗っていて、バンクはたまに合宿で入るぐらいでした。女子の大会は、タイム形式ばかりで、そこに出るとタイムがどんどん良くなっていって、『面白いな』と。高校2年生で進路を考えないといけないときだったのもあって、ガールズケイリンもいいかなと思っていました。そんなときに父の引退レースがあって、競輪場に見に行ったんですけど、父の先行を見て格好良いと思い、選手になろうと決めました。父に、どうしようかなと相談すると、『自分でやりたいと思うなら、いいんじゃないか』と」

 

 

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先行選手は背中で語るという。

自分の走りを貫き通した父の姿を見て、しっかりと受け継がれていた先行のDNAが目を醒ました。

「先行選手が一番格好良いと思っているので、打鐘先行じゃないと嫌なんです。でも競走訓練で先行をしようと頑張っているんですけど、脚質が長距離なので、まだまだ全然ダッシュ力がないですし、出切れていないんです……。単純に考えれば、マークしていた方が着は良くなると思うんですけど、そういうレースはしたくないし、どうしようかなと悩んではいます」

 

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デビュー後の選手像について聞くと「先行していると思います」とキッパリ。

「競走訓練でも、このメンバーだったらこうしようと自分で考えてから実際に走っています。たとえ自分の思い通りにいかなくて、もしもここで自分が動いていなかったら、こうなっていたのかなと考えて、もしかしたら自分がレースを作っていたのかなとすごく感じられるんですよね。夜もビデオを見直して、どうしたらいいのか、またわかってくるところが楽しいです。まだまだ、脚力も足りていないんですけど、打鐘から先行できる脚をもっとつけたいですね。持久力はあると思っているので、あとはダッシュを頑張ればいけるのかなと」

 

 もちろん、現在はパーソナルトレーナーとして活躍されている父からのアドバイスも吸収していく。

「たとえば、『こういうレースでこう仕掛けたけど出られなかった』と聞くと、自分は先行しようということしかないので、出方や位置によってどうすれば良かったのかと教えてくれます。課題は脚力で、踏む力しかなくて引き足がないんです。つかなくてはダメなところに筋肉がついていなくて、変なところについてしまっているので、それで引き足が使えていないんだなと思います。そういったところやウエイトトレーニングも相談していますね」

 

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そして課題はもうひとつ。

「人見知りなので、トークショーでもガチガチになって、まだ顔を上げられないです(苦笑)。でも、レースではプレッシャーがある方が興奮します。親とかしか見ていないような地元の小さな大会では普通の感じで走っているんですけど、インターハイや選抜のように知らない人が見ていると、めっちゃ興奮して、すごいプレシャーはありますけど、見て!と思っちゃうんですよ。力が入って、すごく走れます」

 

力強い先行して、ファンに感動を与えられるような選手を目指していく。昨年の伊東記念開催中に場内ステージで行われた106回生の生徒紹介では、ファンの前で宣言した。

「やっぱり先行選手になりたいので、先行だけを目指して、これからも頑張ります。デビューまでには先行できる脚を絶対につけたいと思います!」

 

 今はまだ小さな背中かもしれない。だが、その走りから、その背中から伝わるメッセージは、いずれきっと見る者多くの心を掴むはずだ。偉大なる父の走りが、ファンを魅力し続けてきたように……。