プロデビューを目指す競輪学校生徒サイト

生徒インタビューリポート 第1弾 小林優香編

2013/11/11

DSC_8212.JPG

真っ直ぐ、ひたすら真っ直ぐ。

紆余曲折あるのが人生というけれど、見据えた目標に向かって、ただただ真っ直ぐ小林優香は、走り続ける。「コレと決めたら、そこに突き進んでいく性格なんです」と自己分析するものの、自転車競技歴1年足らずで、果たして誰がここまでの成績を残すと想像していたであろうか。
13年5月の試走記録会、7月の第1回記録会、そして9月の第2回記録会、この全てでゴールデンキャップを獲得した。競輪学校史上、女子のゴールデンキャップ獲得だけでも初の快挙であるのに、それを3度もだ。こんな偉業を達成しても、本人はどこかあっけらかんとしている。そして、次に口にするのは今の課題について。
「学校の記録を更新することを目標にしたんですけどね。今は競走訓練も始まって、タイムが速いだけでは勝てないことが分かったし、自分に足りないのは最初のスタンディングやジャンでの瞬発力。まずは、そこを課題に頑張っています」
優しい表情ながら、発せられる言葉の数々は、どれもストイックなのだ。

DSC_8169.JPG

バレーボールを始めたのは小学2年生のときだった。

もともと、両親がバレーをやっており、特に母親は小学校のクラブで監督も務めていたので、そこに参加するのは、自然の流れだった。だが、中学校、高校とバレーを続けていく中で、自分がどんなに努力しても、埋められないものに気づいていった。それが、164センチメートルの身長だった。
「両親の影響で、最初は成り行きでバレーを始めたんですけど、中学校・高校と上がっていくうちに親の期待も大きくなっていったと思います。中学校では全日本も目指していて、選抜・JOCカップにも出ました。でも、そこでも身長が足りないと周りに言われ続けていたんです。だから本当はバレーは中学校で辞めようと思っていたんですけど、高校もそのままいってしまって。それで高校でも辞めようと思っていたんですけど、推薦が決まったこともあって、大学もそのままいってしまいました」
そう笑って振り返るが、10年以上もプレーし続けたバレーボール、諦めきれない心と、身長という現実。心の中にはずっと葛藤があった。
「(ポジションは)もともとレフトで、中学ではレフトとセッターを両立して、高校ではセッターとリベロをやっていました。でも、自分はバレーボールだと身長が低い方だったので、上の世界に行っても、自分がやりたいポジションではやることができないというところがあって...。それで、バレーをこのまま続けていくのか、就職を考えるかを一年間くらい悩んでいました」

DSC_8113.JPG

2012年8月、悩み続ける小林に衝撃が走った。

たまたまテレビで観戦していた「ロンドンオリンピック」。そこでは自転車競技の「チームスプリント」が中継されていた。自転車でバンクを颯爽と駆け抜ける姿に、目を奪われた。
「(チームスプリントの)男子の方です(笑)。もともと自転車は、ママチャリですけど好きで、どこでも遠くに乗っていっていたんです。佐賀県の鳥栖から、博多まで自転車でいったこともありましたね。ママチャリで友達と。山を越えていったので、1日がかり。それで、博多でラーメンを食べて、すぐ帰ってきました(笑)。自転車。これなら身長も関係ないし、上にいけるかなと思ったし、やりたいと思いました」
もちろん、自転車競技を甘く見ていたわけではない。競技は未経験だったが、悩み続けていた小林にとって「これだ!」と思えるものに出会えた喜びの方が大きかった。決めたら、もう止まらない。小林の生活が自転車一色になるのには、そう時間がかからなかった。
「ガールズケイリンは、『あんた、これやってみれば?』と勧めてくれたのが両親だったんです。でも、私が(入学の)書類を取りに行ったことは知らなかったみたいで、『はい、ここちょっと書いて!』と渡しました(笑)。親は『そんな簡単に受かるものではないけど、経験でやってみなさい』と言ってくれました。受かってしまって、ビックリしたみたいですけどね(笑)。経験がないので、適性で受けるしかなくて、西日本地区の方に久留米競輪場を紹介していただいて、そこで今の師匠である藤田(剣次)さんたちと練習をはじめました。毎日が楽しかったです」

DSC_8148.JPG

自転車に、とにかく夢中だ。

適性入学だけに、競技経験者との差を埋めることも大事であるが、極端な話、今は自転車以外のことはどうでもいいくらいだと言う。
「自転車のことに一生懸命で、練習が終わったらボーッとして、お風呂に入るのもご飯を食べるのも忘れてしまったりするんです。それでみんなから『行くよ、行くよ』と言われて(笑)」
息抜きの話をしても「ショッピングにもいきたいですね」とのことなので、「何を買いに?」と聞けば「新しいレーサーパンツと練習着ですね!」。さらに先日は、「ちょっと言いにくいんですけど、1000メートルを走っていたら、うしろから滝澤校長がピストで追いかけてくる夢を見たんです。すごい夢でした。苦しくなったときに、『そこからだー!行けー!』と(笑)」

寝ても覚めても自転車、自転車、そして自転車。この、とてつもない集中力で頑張れるのは、大きな目標があるから。それは自分を自転車の世界に導いてくれたあの大舞台、オリンピックでのメダル獲得に他ならない。
「バレーのときは目指していなかったですが、オリンピックは小さい頃からの夢だったし、自転車を始めた原点でもあるので、目指したいですね。バレーでは全日本を目指す、そこまでの目標だったから、そこまでしかいけなかったと思うので、高いところに目標に置くと頑張れるので叶えたいです。いえ、叶えます。自転車が一番、自分に合っていると思うし、東京オリンピックでメダルを獲れる選手になりたいです。やっぱり、この太い脚を活かせるのは自転車しかないかなと(笑)」

理想像は「先行逃げ切りで、着と内容にこだわっていく選手」。どこまでも真っ直ぐ、今日も自転車、そして自分の夢と向き合っていく。

DSC_8145.JPG